従来、病院の検査室では[アイレストグリーン]とよばれる緑色の床や壁が主体となっていた。これは、[色彩調節]とよばれる機能主義的な色彩計画のなごりで、赤い血液の補色である青緑色を基調とすることで、医師やスタッフの誤認を防ぐ配慮がなされている。 一方、患者にとっては、検査とはいえ閉ざされた空間で大きな機械に囲まれるのは、何とも心許ない気がする。そのため、本計画では暖色系の色彩を基調とし従来の検査室に見られた無機的な冷たさを軽減するよう努めている。