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このコーナーでは、色彩計画家・吉田愼悟をはじめ、経験豊かな当社スタッフが新しい建築物や土木構造物、プロダクト、グラフィックなどの色彩をテーマに記事をブラッシュアップしていきます。

銀座│地域ブランドをつくる色彩


近年、銀座中央通り周辺では、百貨店や商業ビルなどの低層階において、テナントやショップデザインのリニューアルが盛んに行われている。
2001年から2002年にかけては、百貨店の松屋や通りを隔てて正面に位置するOPAQUEなどがリニューアルオープンした。これらのデザインに通じるのは、ファサード全面をガラスで覆い、内部照明によって発光させた半透明で軽快なデザインである。



▲松屋銀座店(デザイン:原研哉)


▲OPAQUE GINZA(デザイン:妹島和世)

2003年から2004年にかけては、海外ブランドの出店が相次ぎLANVINやPRADAなど、世界的な高級ブランドが中央通り沿いに顔をそろえた。また、コンピュータ関連のAPPLEが日本初の直営店となるApple Retail Store Ginzaをオープンさせたのもこの年である。
これらの店舗に共通するのは、黒やグレーなどの金属を基調にソリッドで重量感のあるファサードを形成している点である。



▲LANVIN BOUTIQUE GINZA(デザイン:中村拓志)


▲Apple Retail Store Ginza

また、周辺ではLOUIS VUITTONやDior、CHANNEL、HERMESなど有名建築家とのコラボレーションによるブランドショップが相次いでオープンしている。
いずれも、強い色彩に頼らずガラスや金属の質感を存分に活かした建築家ならではの色使いである。また、夜の景観を意図し、外装材の重層と内部の発光によってオプティカルな表情の変化をつくりだしている。



▲LOUIS VUITTON GINZA(デザイン:青木淳)



▲Dior GINZA(デザイン:乾久美子)



▲CHANEL GINZA(デザイン:ピーター・マリノ)


▲HERMES GINZA TOKYO(デザイン:レンゾ・ピアノ)

全国に存在する数多くの○○銀座では、店舗や広告物の派手な色彩が昼夜を問わずまちの景観を支配し、地域ブランド力の低下が著しい。
一方、本家銀座では昼の表情と夜の表情を適切に使い分けた魅力的な建築物が、まちなみ全体の景観形成、ひいては地域ブランド力の強化に大きく寄与している。
近年の偽ブランド商品は素人目には本物と見分けがつかないほどに精巧化している。しかし、本家銀座と地方銀座の間には似てもにつかない地域ブランド力の格差がある。こうした格差の一端を担っているのがブランドショップのファサードがつくり出す魅力的な色彩景観である。(T)

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▲第2回 銀座│地域ブランドをつくる色彩のページへ
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▲第4回 福島県磐梯・猪苗代│穏やかなロードサイドの店舗・広告物のページへ
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